高気密・高断熱・高耐震のスーパーウォール工法の建物をさせて頂くようになり約18年。70棟以上の実績がありますが、今回は間違いなく最難関の一つに挙げられます。何が難しいといえば、毎棟行っている気密測定です。今回の上石切町のT様邸は石切ならではの傾斜地に建っており、1階部分がRCの擁壁兼駐車場になっております。そして、その駐車場部分からも建物内部に入ることができ、そのRC駐車場の上に木造2階建てがあり、かつ、塔屋つきの屋上がありますので、要するに4層の建物なんです。分かりにくいかと思いますが、4層とはこのようなこと。

測定を開始。このような機械を用いて、建物全体の気密性=隙間がどれだけあるかを測定します。

どっぷりと建築関係のお仕事に従事されているご主人様に納得して採用して頂いたこの工法ですので、そのキーポイントである気密性能を疎かにすることは、我々としても妥協出来ません。という事を十分に理解して、気密充填をこまめに対応してくれたのが棟梁桑田をはじめとした、大工さんたち。今回ばかりは、ちょっと異様な面持ちです。

玄関ドアの他に、勝手口が2か所、4枚建ての大開口など、気密性能にとっては不利な条件が多々・・・。そのような言い訳が頭をよぎりながらの測定が続きます。いつも行っている事ですが、いつもとは明らかに違う緊張感が。T様奥様がお立会い頂いたことも、さらによいプレッシャーに。

そして、測定結果が出ました。C値隙間相当面積=0.53c㎡/㎡。この家の隙間を全部より集めても約8cm角の大きさです。いい数値です。この建物条件からですと、素晴らしい数値です!いつもコツコツと作業してくれていることに感謝なのですが、コツコツだけでなく、十分に気密の事を理解して作業してくれていることに改めて感心させられました。

奥様がその場でお仕事中のご主人へメールで測定数値を“速報”としてご報告。どのようなご返事が返ってきたかはお聞きしておりませんが、我々同様に感心して頂けたのではと勝手に思っております。